たのくんの間違えやすい敬語講座

間違えやすい敬語を紹介していくよ♪

「結構」って結構フクザツ?


「結構です」という言葉。「おかわりはいかがですか?」「お荷物をお持ちしましょうか?」などの提案を断るときに、よく使うフレーズだね。


この「結構」という言葉は漢語から来ていて、「建造物の構造」「文章の構成」などの「組み立て」「構成」を意味する言葉だったんだよ。それが日本では「計画」「準備」といった意味として使われるようになり、さらには、その計画や準備のことを「立派」だと評価する言葉となったり……時代と共に、いろいろな意味が加わった言葉なんだ。


さて、「結構」には次のような意味があるよ。ひとつずつ紹介するね!


・すばらしい/立派だ

招待されたり、もてなしを受けた際など、ものごとの褒め言葉として使う。
例:「結構なお庭ですね」「結構な贈り物をありがとうございます」


・十分/満足だ

対象となるものが十分であるとき、「それでいい」と肯定する意味。
例:「これで結構ですよ」


・かなり/思ったよりも

「十二分とは言えないまでも十分に」「思ったよりも」という意味。
例:「結構良い点が取れそうだ」「結構おいしかった」


・不要である

それ以上必要がないとき、丁重な断り言葉として使う。
例:「もう結構です」


注意したいのが、「結構」という言葉は、逆の意味に取られかねないということ。電話セールスで、「結構です(不要である)」と断ったつもりでも、相手が「結構です(それでいい)」という肯定の意味に解釈して、商品を送りつけるという事例が過去にはあったそうだよ。こうしたトラブルに巻き込まれないためにも、時には「必要ありません」と、別の言い方で断ることも必要だね。


また、誰かに誘われたとき、「結構です」と断るだけでは、相手に冷たい印象を与えてしまう場合も。「お気持ちは嬉しいのですが」「あいにく予定が入っておりまして」など、残念な気持ちを伝えられるように表現を工夫してみよう。


使い方次第で意味やニュアンスがころころ変わる「結構」という言葉、うまく使いこなしていこうね!