たのくんの間違えやすい敬語講座

間違えやすい敬語を紹介していくよ♪

より丁寧? or 回りくどい? 受け手によって変わる印象


「書類をご提出いただいてもよろしいでしょうか?」


総務部のA子さんは今日が提出期限の書類を各部署に集めに回っているようだね。


A子さんの使った「〇〇していただいてよろしいでしょうか?」は、許可を求めている言い方。「提出してください」「ご提出願います」が直接的な表現に対し、婉曲的。相手への配慮をたっぷり含んでいる印象があるよね。


ただ、受け手にとっては「回りくどい言い方」に感じることもあるようなんだ。


これは、受け手のパーソナリティーによるというよりも、状況によるのかもしれない。


忙しさのまっただなかに「書類をご提出いただいてもよろしいでしょうか?」と言われたら「今、無理!」と断られかねないね。


よろしいかよろしくないかを尋ねられたのだから、「よろしくない」を選ぶ権利だって受け手にはあることになる…。


今の今、どうしても必要な書類であれば、許可を求める形ではなく、依頼・指示として完結に伝えるほうがいい場合もあるんだね。


たとえば、


クリニックの受付で「保険証をお出しいただいてもよろしいでしょうか?」と言われるのはどうだろう。


出すべきものをうっかり出し忘れている患者さんにはとても丁寧な催促として好印象かもしれない。でも、今必ず提示が必要なものであれば、「保険証をお出しください」とスルッと言われるほうが普通に感じないかな。


ただ、簡潔な表現を用いる場合も、ムスッとした表情、イラついた顔つきで言うのは大NG。言葉とともに表情も意識したいよね。