ワンパッチスタンプ 2穴タイプ 商品開発秘話

しかし、TVの反響で新たなユーザーが増えたことをきっかけとして、改めて市場調査を行ったところ意外な事実が判明しました。
一つにはペーパーレス化が進んだと言われている現在でも、パンチ穴補強の需要は決して減っていないということ、もう一つ、実は書類作成時に最初からパンチ穴補強を行っている場面が大半を占めるということでした。
補強を必要としているのは、建設業のような役所に提出する書類をたくさん作成している業種が多く、絶対に落丁してしまわないように作成の段階で必ず補強を行っていることがわかりました。
他にも、医療・介護などセンシティブな個人情報を紙で管理している業種でも落丁防止のために補強をしている場合が見受けられました。

このような状況から、改めて2穴タイプの開発を進めることが決まったのです。

開発が始まると、ユーザーの作業性に応じた改良が必要でした。
モニター調査でわかったのは、2穴補強を行う場合1枚ずつではなく複数枚を重ねてセットして上から順に貼りつけ作業を行った方が効率がよいということでした。そこで、パンチ穴をあわせるガイドの高さを高くすることで、連続作業をしやすくしてみました。
しかし、ガイドを高くし過ぎると補強し終わった紙を抜くときにガイドに引っかかってしまい、かえって作業がしにくいことがわかりました。何度もテストを繰り返した結果、5～10枚を重ねられる高さがちょうどいいことがわかりました。
さらに、ガイドの中央に白い樹脂で色を付けることにより視認性が高まり、格段にセットがしやすくなりました。

加えてこだわったのは手にフィットし、自然と力が均等にかかるようになる形状でした。
角に丸みを持たせることで手のひらの位置が固定され、力が均等にかかりやすくなるとともに、見た目にもスッキリとしたデザインにしました。天面中央には手のひらを当てていただく箇所として、点状の目印を設けています。
さらに、シール交換の際に押す側面のボタンを小さくすることで、スタンプ時に誤って押してしまわないようにしました。